中性脂肪って何だ?
前回、血中の中性脂肪が高いことがわかった店主
そもそも中性脂肪って何?というところから復習してお勉強します
脂質は三大栄養素のひとつです
三大栄養素(糖質、脂質、蛋白質)は生命維持に欠かせないエネルギーを作り出すことが出来るものです。糖質、蛋白質は1gあたり4Kcalを産生することが出来ますが、脂質は1gあたり9Kcalのエネルギーを作り出すことが出来ます
糖質 | 脂質 | 蛋白質 | |
1gあたり熱量 | 4Kcal | 9Kcal | 4Kcal |
主なエネルギー源 すぐに利用できる | 高エネルギー 細胞膜の構成成分 | 筋肉や骨、皮膚の構成成分 |
脂質は生命維持に欠かせない重要な成分であることは間違いないのですが、過剰にあるとまた問題があります
血液中の脂質が過剰にあると血管の壁に脂質が沈着して血管が固くなる動脈硬化の原因になります。動脈硬化が進行すると狭心症、心筋梗塞、脳出血や脳梗塞、認知症など様々な病気に発展する可能性があるのです!
そして今回のテーマ中性脂肪はこの脂質の大半を占めるのです
ここで脂質の定義です
「脂質(lipids)は、水に不溶で、有機溶媒に溶解する化合物である」と定義されています
脂質は化学構造的な特徴ではなく、物性で定義されているのです
脂質をこの定義に沿って更に分類すると以下のようになります
- 単純脂質(アルコールと脂肪酸のエステル)
- 複合脂質(分子構造にリン酸や糖を含む)
- 誘導脂質(単純脂質や複合脂質から誘導されるもの)
このうち中性脂肪は脂肪酸とグリセリン(アルコール)のエステルなので単純脂質に分類されます
脂肪酸ってこんな形
どんなところが「酸」かというと
赤でくくった部分、記号では(RーOOH)と書きます
(炭素(C)がたくさん並んでいるのを省略して「R」と書きます)
この構造を持つものはカルボン酸といって水素原子がイオンとして離れやすい
「H+」が取れるのが「酸」なのです
グリセリンは
こんな形
「OH」があるのがアルコールです
「OH」が3個あるので3価アルコールといいます
簡略化して
こんなふうに書いたりします
中性脂肪は脂肪酸(RーCOOH)とアルコール(R’ーOH)のエステルなので
R’ーOOーR (H2Oが取れて縮合する)
上記のように結合しています
要するに、グリセリンに脂肪酸が3つくっついたもの
グリセリンにくっつく脂肪酸が
脂肪酸が1つならモノグリセリド
脂肪酸が2つならジグリセリド
脂肪酸が3つならトリグリセリド
と、言います
なのでトリグリセリドはこんな形
脂肪酸は長いのでRに省略しました
省略したRは炭素の長さが
短いのが短鎖脂肪酸
中くらいのが中鎖脂肪酸
長いのが長鎖脂肪酸
と、言います
このトリグリセリドはエネルギー源として効率がよく、体のエネルギー源として蓄えられるのです(おー怖)